2008年11月27日

曜変天目のメカニズムは、特殊だが簡単な現象

「曜変天目の発生するメカニズムは解明しました」と言っても、「全く同じ色をした曜変天目茶碗を見せてみろ」と、言いたい人が多い事は分かります。
しかし、私は「曜変天目とはメカニズムであって、稲葉天目と同じ色の事ではない」と説明すると、皆さん、つまらなそうな顔をされます。
「どうせ、偽物だろう」とか「どうせ勝手な思いこみだろう」くらいにか、思われないのでしょうが、仮に稲葉天目に似た色の物であれば良いのであれば、それを作る事は有る意味で簡単な事です。
現在、一部の作家さんが「曜変天目を再現」などと言われて発表されているような、上絵付けされたものでれば簡単にできますし、これに100年以上前にティファニーで開発されたガラス装飾の技法を組み合わせる事で、更に似た物が出来上がります。
上絵付け用の絵具の融点を上げて、黒釉薬の下に仕込んでも、それが釉薬の上に現れる事で似た物は焼けますし、ある金属の結晶核を作って素地に仕込んでも、黒釉の上に曜変天目に似たような結晶を作る事は可能です。

しかし、似て非なる物ではなく曜変天目のメカニズムを研究したいと心の底から思っている方は、是非とも静嘉堂文庫、藤田美術館、龍光院の3碗の曜変天目の本物を実際に見てください。
写真では似ているような物でも、実は全然違う事や、またその本物の3碗も共通するのは、あの不思議な曜変斑紋の形態と配列であって、一箇所一箇所の斑紋の形態にはだいぶ違いが存在する事に気づかれるでしょう。

もっとも、私は現存する3碗は同じ窯焚きから生まれた物だと思っていますし、おそらくは轆轤を回したのも同じ人物ではないかとも思っています。
非常に狭い範囲での作陶と、1回だけの窯焚きから生まれ出た物であると考えています。私の考えている曜変天目のメカニズム、発生する原因はそれほど特殊なものだと考えているからでもあります。
しかし、特殊ではあっても、それが難しい事であるとは言っていません。
その時の窯焚きの様子は目に浮かぶようでもあり、決して再現不可能な事ではありません。
曜変天目が発生するその瞬間をビデオに収めろと言われれば、出来る事ですが、どうも今の世の中は「それほど似てはいないが論理的に正しい物」よりも、「似て非なる物」の方が好まれるような時代のようですので、あえてそのような事は行わないようにしてきました。
もちろん、もしこれを公開すれば、相当頭の堅い評論家でも、納得せざるを得ないはずです。


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http://www.geocities.jp/retechnical/youhenindex.html
posted by dukka at 15:22| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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